☆珈琲彩館「樹 鸞」☆ 愛知県小牧市、桃花台ニュータウンの西方。自ら建てたログハウスで、自家焙煎の挽きたて淹れたての珈琲をどうぞ。


1.コーヒーの生い立ち
●コーヒーの始まり
コーヒーは最初は、ただの野生の木の実で、鳥や小動物が食べてたんでしょうね。このコーヒーが今では、世界中の人々に愛飲されていますが、いったいいつごろから飲まれていたのでしょうか?
このコーヒーの生い立ちを伝える話はたくさんありますが、どうやら最初はイスラム教の僧侶の、眠気ざましの妙薬として広まったようです。
●エピソード 1
6世紀にエチオピアの高原でアラビア人のカルディが山羊の放牧をしていると、山羊が突然飛んだり跳ねたりしはじめました。不思議に思っていると、赤い実を食べていたことが原因でした。自分もその赤い実を食べてみると、気分が良くなり、眠気も覚めてしまった。
ある日、そこを通った回教僧がこの実を僧院に持ち帰り、仲間と食べてみると、みんなも同じように爽快な気分になったといいます。それ以来、魔法の豆として用いられるようになったのである。

★この話は17世紀、ローマ人のカトリック教徒によって書かれたものだそうです。

●エピソード 2
アラビアの回教僧シェイク・オマールは、罪に問われ追放を受けて山中を彷徨っていた時のこと。ふと見ると、鳥が赤い実を嬉々としてついばんでいるのを見つけ、自分もその実を食べてみると、疲れがとれて爽快な気分になり、この赤い実に不思議な効果のあることを知ったのです。この話を伝え聞いた教主に招かれ、教主の気うつ病の一人娘に薬として与えたところ、たちまち娘の病気が治り、その功績によってオマーは罪を解かれ、メッカで同じような病気に苦しむ人々を救い、のちに聖者として崇められるようになった。

★これはイスラム教徒の発見説です。

●秘薬から世界の飲み物へ
ともあれ、当時としては、赤い実(コーヒー)を煎じて飲むことによって、体内に活気を蘇らせる、秘薬としての役割が大きかったようです。
そしてその秘薬からコーヒーへ、世界の飲み物へと広がっていった経緯を少し探ってみましょう。
●コーヒーの伝播
当初は赤い実を煎じていましたが、13世紀後半から実の中の種子を取り出して煎じたり、またそれを乾燥させて煎じるようになりました。そして14世紀には、現在の様に豆を煎ってから飲むようになりました。
15世紀になり、それまで外国への持ち出しが解禁になったため、トルコに伝わっていきました。(この頃、東洋ではすでにお茶が普及していた事や、交流も乏しかったこと、宗教上の違いなどから東方へは伝わらなかったとされています)
これから数百年間はイスラム教国のみで、その圏外に伝わることはありませんでしたが、オランダが16世紀中頃、17世紀初めにはイギリス・ポルトガルなども、東インドへ進出をはじめました。この東洋への道すがらコーヒー(イスタンブールのカフェ・カーネス)を知ることになり、、それをきっかけにしてヨーロッパへの伝播が始まった。

このようにして、一粒の赤い実が世界中に広まっていったわけですが、不思議ですね。タンポポコーヒーや大豆のコーヒーなど似たような味を作ることは簡単なはずなのに・・・やはり「東洋の神秘」「秘薬」「医薬」がキーワードでしょうか。